Category: blog - Tags: 批評家名古屋覚:亜 真里男「日本で最も優れた油彩を制作する画家の一人、いや唯一の一人」 - 2017.02.07
批評家名古屋覚:亜 真里男「日本で最も優れた油彩を制作する画家の一人、いや唯一の一人」
名古屋覚:「本当に日本が好きなら、現実的、戦略的に日本のことを考えて、日本のために何かしてほしい。どうすれば日本が世界中の美術家を、活動の現場として引き寄せる国になれるのか?」
国際美術批評家連盟日本支部の会員でいらっしゃる名古屋覚氏の月刊ギャラリー連載「名古屋覚の菅見ギャラリー」から部分的に紹介させていただきました。
月刊ギャラリー 2016 Vol.9
名古屋覚の管見ギャラリー
http://g-station.shop-pro.jp/?pid=106735867
私のARTiT公式ブログ(現在毎月約15.000ヒット)にアクセスする方の中には、もうご覧になった方もおられるのではないでしょうか。実は、先月号で、私の個展について氏の批評が発表されました。
その中で、1番好きな文章をこの記事の題名にさせていただきました。辛口で定評のある名古屋さんに、お褒めの言葉をいただき大変光栄です。感謝の気持ちでいっぱいです。今後とも、宜しくお願い申し上げます。
この場をお借りして、他の批評家、キュレーター、コレクター、ギャラリストからも、沢山ご声援いただいた事に、心から感謝申し上げたいと思います。
私のアーティスト活動は正しい方向に向かっていると再確認でき、今後も皆さんに刺激や考えさせる課題、日本アートの限界を押し広げることを実践していくつもりです。
名古屋覚氏の質問に答える前に、他の専門家の声を一部紹介します。
東京都現代美術館企画係主任 学芸員 西川美穂子氏:
「The situation is under control : 亜 真里男 Mario A
@青空耳(青山|目黒)
作品の前の真里男さん。絵になる!
作家の経験と歴史と社会とが織り込まれた絵巻物のような展示。
とくにアーティストに見て欲しい。
明日10月1日(土)まで!」
村田 真(美術ジャーナリスト) artscape:
「亜真里男 The situation is under control
国会前でデモする人たちを描いた大作絵画を中心に、周囲に同様の写真を数十枚並べている。主題はタイトルを見るまでもなく「反原発」だ。奥の部屋にはタブロー形式の書が並び、正面の大作はおどろおどろしい色彩と筆触で「炉心溶融」と書かれている。これはストレート。亜真里男は本名マリオ・アンブロジウス=Mario A。それを日本風にひっくり返してA・マリオ、それを漢字に直して亜真里男になったそうだ。スイス生まれのドイツ育ちで、ヨーロッパでは国によってエネルギー政策が異なるため、原発には敏感にならざるをえない。日本に来て30年以上たつというが、いまだ新鮮な目で日本をながめている。」
美術手帖のbitecho:
「現代のジャポニズム作家が描くポスト「3.11」 青山目黒で
現代のジャポニズム作家、亜真里男(あ・まりお)による、3.11以降の日本をテーマにした個展「The situation is under control」(企画:青空耳)が、青山目黒で10月1日まで開催されている。
スイスで生まれドイツで育った亜真里男は、1982年の来日以来、日本を拠点に活動。日本を愛する「現代のジャポニズム作家」として、日本的要素の色濃い作品を数多く制作している。
本展では、そんな約30年にわたり内側から日本を眺めてきた作家の視点で描いた3.11以降の日本がテーマの油彩画を披露する。展示作品は、2016年に制作されたシリーズ「Cool Japan」10点に加え、首相官邸前で行われた反原発デモの光景を描いた《2012年8月17日、国会前「ATOMKRAFT? NEIN DANKE」(原子力?おことわり)》を含めた5点の大型作品が並ぶ。
「2020年東京オリンピック」招致にあたり安倍晋三内閣総理大臣が行った演説の一節から引用された個展タイトル「The situation is under control」からは、むしろ反語的な意味合いのメッセージが込められているようだ。亜真里男は、日本の美意識や形式をなぞらえることに留まらず、よりよい日本社会を志向する批判精神を携えたアートとして、現代の「ジャポニズム」に挑戦している。」
産経新聞:
「亜真里男 Mario A」展 現代日本の違和感…作品に
過ぎ去った歴史や現在進行中の出来事を題材に、写真や絵画で批判を込めて鮮烈に描き出すドイツ人美術家、亜真里男(あ・まりお)の個展が東京都目黒区のギャラリー「青山目黒」で開かれている。
会場でひと際目を引くのが、派手な色彩でおいらんを描いた縦2メートルもの巨大な油彩画だ。どこかで見たような絵だが、ゴッホの「ジャポネズリー‥おいらん」をモチーフにしているという。
ゴッホは雑誌の表紙に左右反転して掲載された江戸時代の浮世絵師、渓斎英泉の作品を模写したが、真里男は向きをオリジナルに戻した。油絵の具は薄く塗られ、あっさりとしていてゴッホの絵に見られるギラギラした印象はない。人物の左右に大胆な枠を描き加え、不自然さや違和感を与え、ゴッホとも原画とも違う独特の世界を構築した。
真里男は1959年、スイス生まれ。ベルリン美術大学中退後、ベルリン大学大学院を修了した。82年に来日して30年以上もの間、日本で暮らし「日本人よりも日本を愛している」と話す。
東日本大震災後は、原発を題材にした油彩画を制作。本展に展示されている「東京への風」は、画面一面が灰色で覆われた中に原発を思わせる建物が透けて見える。これも現代日本の“違和感”の表現なのだろうか。」
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批評家名古屋覚:亜 真里男「日本で最も優れた油彩を制作する画家の一人、いや唯一の一人」
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