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内外から凝視した「日本」
「マリオ・A 」展と 「上原三千代展 」
 

日本とは何か。しかも現在の日本とは。その問いに対する回答として、意表を突いた発表を見た。ひとつは、「マリオ・A」展。

副題は「ma poupee japonaise」(私の日本人形)。同名の写真集を出版した記念展で、女優・原サチコをハンス・ベルメール作のエロチックな人形のように仕立てて撮った写真に小道具を添え30余点で構成した。
関節ごとに分解できる「人形」が、ある男によってスーツケースに入れられて運ばれる、という設定。ベルリンの街角やカフェで、あるいは東京のデパ-トや旅館、高層ビルで、ポーズし、やがてプールで死に至る。重層的な意味を持つ作品群だ。

まず、きれいな人形、言い換えればアイドルが好きな日本の文化をとらえる。何事もきちんと自己主張できない、この国の姿も浮かぶ。また、どこか不安や退廃を感じさせもする。解体され、箱形の古いスーツケースに閉じこめられた人形を撮った画像からは、現在の閉塞(へいそく)感さえ読みとれよう。

・・・・・上原三千代展についての評論あり・・・

冷たいエロスを媒介に、外部から深部をのぞき込んで批評するマリオ・A。伝統技法に逆襲させて、近・現代の表層をひきはがした上原。両者の日本にこだわった表現は、遠そうで近い。

編集委員・田中三蔵
TANAKA Sanzo
©朝日新聞 2001年8月9日夕刊 [page 4]